「どなたもどうかお入りください。決してご遠慮はありません」 br>
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「ことに佐賀県西部に移住したいお方や移住してきたお方は、大歓迎いたします」 br>
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「当店は注文の多い料理店ですからどうかそこはご承知ください」 br>
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『MEETUP!SAGA』の第二弾として“ 扉を開けてみればどんな暮らしが? ~注文の多いイタリア料理店編~ ”というイベントを開催しました。 br>
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『MEETUP!SAGA』は、佐賀県庁と当法人・灯す屋が主催する移住交流イベントです。佐賀に移住を検討している人、佐賀に移住してきたばかりの人、佐賀にずっと暮らしている人をつなぐことを目的としています。 br>
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今回の舞台は佐賀県西部。ゲストは性格も生き方もまるで違う3人の36歳の男たち。さて、どんなイベントになるのでしょう……。 br>
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ゲストプロフィール br>
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鳥谷憲樹(とりや かずき)さん ・ trattoriYa Mimasakaオーナー 写真左
武雄市山内町出身。伊万里高校卒業後、大学に進学するも中退。服部栄養専門学校卒業後、東京目白にあるフォーシォーズンズホテル椿山荘東京に入社し、メインダイニング「イル・テアトロ」に配属。HRSサービス技能コンクールU-30で優勝するなど研鑽を積む。2011年、東日本大震災と父の他界を経験。 自身のあリ方を見つめなおし、イタリア修行に赴く。Uターン後は仕事の傍ら、町おこしグループ「GOLD U-35 」の一員として活動するほか、有田400周年事業をはじめとした近隣市町村の各種プロジェクトに参画。その後、祖父母が遺してくれた庭園を受け継ぎ、2016年12月にtrattoriYaMimasakaをオープン。磨き上げた接客の技術や愉快なトークを駆使し、生産者やシェフたちの努力の結晶である作品をより魅力的なものへと進化させ届けている。 br>
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【trattoriYa Mimasaka】 br>
http://trattoriya.com/ br>
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久保博志(くぼ ひろし)さん ・ 大日窯三代目当主 写真中央 br>
有田町出身。高校卒業後、運送会社に就職。長距離トラック運転手として、全国を飛び回る。父・大日窯二代目当主久保徹の死去を受けて、実家の窯元を継ぐことを決意。有田工業高校窯業コース聴講生を修了。またろくろ師で伊万里・有田焼伝統工芸士の村島昭文氏に師事。現在、大日窯三代目当主。初期伊万里をベースとし、素朴な形と温かくシンプルな絵柄を中心にした白磁民芸食器を製作している。 br>
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【大日窯】 br>
http://dainichigama.com/ br>
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佐々木元康(ささき もとやす)・ NPO法人灯す屋代表理事 写真右
1983年、佐賀県有田町生まれ。早稲田大学及び同大学院卒業後、大正製薬株式会社に入社し医療用医薬品の新規開発に従事。2015年、妻子とともに有田町へUターン。同町の初代地域おこし協力隊に着任し、移住・定住及び空き家活用推進事業に取り組む。2017年春、セルフリノベーションした「シェアハウス&シェアアトリエ・コネル」をオープン。2018年8月に退任し、特定非営利活動法人灯す屋を設立する。移住と空き家をキーワードに、地域で暮らす人たちが幸せになる手伝いをしている。 br>
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【NPO法人灯す屋】 br>
https://tomosuya.com/ br>
【シェアハウス&シェアアトリエ・コネル】 br>
https://www.facebook.com/conel2017/ br>
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2019年2月11日。場所は武雄市山内町三間坂にあるtrattoriYa Mimasaka(トラットリヤ ミマサカ)。今回のゲストスピーカーの一人である鳥谷さんが2016年にオープンをされたイタリアンのお店です。 br>
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今回は佐賀西部に移住した人、検討中の人だけではなく3人の母校である、伊万里高校・有田工業高校・弘学館高校の生徒も参加。先輩達の生きざまは、十代の目にはどううつるのでしょう? 有田ケーブルネットワーク様にも取材にきていただきました。 br>
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今回は3人の年表を見ながら話してもらいました。同じ年に、佐賀県西部で産声をあげた3人ですが、その人生はまさに三者三様。将来どんな仕事をしたいのか? 決断を先送りにするために高校・大学と進学したとおっしゃる鳥谷さん。何かとエピソードがやんちゃで高校生の参考にならないかも!? な久保さん。得意な勉強で弘学館中学・高校に進学しノーベル賞をとることが夢だった佐々木……。 br>
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終始なごやかな雰囲気でトークショーがすすみました。「久保くんは他の2人より、人生が10年早くて参考にならない!」という鳥谷さんの意見に「俺にとってはこれが普通!」と久保さん。会場からは笑いが。 br>
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鳥谷さんは2011年、東日本大震災と父の他界を経験。 その後修行に赴いたイタリアで出会ったのは、「地元が大好き! 家族が大好き! 自分の地元が世界一だと信じて疑わないイタリア人」。高校生の頃、「地元は何も魅力がなくて、退屈で成長できない」と考えていた自分とのギャップを感じました。その後山内町の実家に帰省した際父がいなくなって元気をなくしていた家族を見て、Uターンを決意。 br>
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急なお父さんの死で実家の窯元を継ぐことになり、目の前のことに必死だった久保さん。有田工業高校の聴講生コースや、伝統工芸士の村島昭文氏に師事するなど大人になってからの学びなおしをされながら、同時進行でまったなしの育児も…。20代は新幹線のような速さですぎていったそう。 br>
学生時代から参加していたカンボジアでの国際協力や、東日本大震災後南三陸町でのボランティアを経験の中で「地元のために働きたい」という思いが強くなり有田町の”地域おこし協力隊”としてUターンした佐々木。「製薬会社の仕事を辞めてUターンするって大変な決断では?」との質問には「今ここで決めなければ今後違和感のある生活を続けて行かなくてはならない、そっちの方がリスクだと思った」とのこと。 br>
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先輩たちの話を一生懸命聞いてくれる高校生。先輩たちからの、「もし県外に出てもいつでも帰っておいで! とりあえず俺達に会いにきて!」というメッセージが伝わったかな……? br>
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弘学館高校の男子生徒より「佐賀を離れてみて気づいた佐賀のよさってなんですか?」と質問が。 br>
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「つまらない、退屈だと思っていた地元には面白い人がたくさんいて自分が間違っていたことに気づいた。また、自分がやっていいことがたくさんある。都会だとすでにやっている人がたくさんいるようなこと(例えばイタリアンレストラン)でも地元だとありがたがってくれる。」(鳥谷さん) br>
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「確かにチャレンジできることがたくさんあり、やるかやならいかは自分次第。応援してくれる人もたくさんいる。」(佐々木) br>
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「佐賀以外に住んだことはないから比較できないけど、田舎は人は少ないけど落ち着く。特に30代すぎてからは地元の人たちのあたたかさをひしひしと感じるし、それで事業を続けてこられた。地域の清掃など都会に住むよりやることは多いかもしれないけど、それはそれで楽しい。」(久保さん) br>
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「地方には仕事がない」と言われがちですが、鳥谷さん曰く「現場の体感としては人手不足」とのこと。都会のような職種の多様さはありませんが、潜在的なニーズがあるので必要があれば仕事自体を作る、ということも可能。家賃等のコストが低い分、起業へのハードルも低いのかもしれません。 br>
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彼は、将来地元佐賀のためになる仕事をしたいそう。高校生のうちから考えてくれているなんて頼もしいですね。 br>
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トークの中休みはお楽しみのイタリアンビュッフェ! 食べ盛りの高校生たち、少し遠慮気味です。(笑) br>
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こんなおいしいイタリアンが食べられて幸せなひととき。 br>
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30~40代の大人と高校生、普段なかなか交流がない世代なのではないかと思います。大人たちから教えてあげられることもたくさんありますが、逆に大人たちが気づかされることも。おいしいごはんの力も手伝って、有意義な異世代間交流ができました。 br>
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ご飯の後は、本日の主催者である佐賀県庁の筒井さんから、県で行っている移住支援の取り組みについてお話を聞きました。佐賀県は移住した人・移住の相談を受けた人が3年で2.5倍に増加。3月1日(金)基山町で行われる婚学講座や、3月9日~10日 天神の福岡PARCOにて行われる福岡・天神「笑う、佐賀展」などイベントがめじろ押しです! 詳しくはサガスマイルをチェックしてみてください! br>
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武雄市役所 住まい支援課の藤井さん。「私が家を購入したときにはまだ中古物件の購入が一般的ではなかった。今武雄市の空き家を見てまわっているが、まだまだ長く住める家が多く値段は手ごろ。私の時も知っていれば中古物件を購入したと思う。」とのこと! 武雄市ではお住もう部屋というサイトで空き家・移住情報を公開中です。武雄市に移住検討中の方はぜひ見てみてください! br>
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デザートには春陽堂の「ちゃわん最中」が登場! イタリアン×最中という新境地が切り開かれました。 br>
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マスカルポーネチーズのムースにエスプレッソをかけていただく大人の味。料理からスイーツまでどんな食材も受け入れる懐の深い最中生地は、今後も様々な食材とのコラボができそう。 br>
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まとめ
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高校卒業してずっと東京で暮らし地元の人たちとのつながりが薄くなっていたことで、Uターンしてきてしばらくは孤独な日々も多かったと話す鳥谷さん。その後、佐賀での新しい出会いが今につながっているそうです。UターンにしてもIターンにしても人と人とのつながりは必要不可欠。 br>
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今回参加してくれた高校生は進学で地元を離れる子、地元に留まる子それぞれでしたが、彼らが大人になったときに、またUターンしようとしたときに、地元で楽しく暮らせるようなつながりや下地を作っておいてあげたい! そんな鳥谷さんの強い想いもあり、今回のイベントは開催されました。 br>
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県外でたくさん学び、働き、大人になった彼らが私たちに会いにきてくれることを楽しみに待っています! br>
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