【レポート】佐賀のおいしいつながり ~春待つファーマーズピクニック編~

あなたは佐賀といえば何を思い浮かべますか?

どこまでも続くような広い平野、お米、野菜……農業の県というイメージがある人も多いのではないでしょうか。第3回・MEETUP!SAGAは佐賀中央部が舞台。移住した方や、移住を検討中の方と一緒にゲストスピーカーから「食」や「農業」についての話を聞いた後、座談会形式で参加者どうしで「佐賀での暮らし」について語り合います。

『MEETUP!SAGA』は、佐賀県庁と当法人・灯す屋が主催する移住交流イベントです。佐賀に移住を検討している人、佐賀に移住してきたばかりの人、佐賀にずっと暮らしている人をつなぐことを目的としています。

今回はなんとファーマーズマーケットを同時開催! どんな「おいしいつながり」がうまれたのでしょうか……?

ゲストプロフィール




きたはら農園・北原 良太(きたはら りょうた)さん 写真左
佐賀県江北町で米・麦・大豆を中心につくる農家。長崎から移住後、農業を営む奥さまの実家に婿入り。現在就農4年目。初めて北原家のお米を食べたときは、おいしくてとても驚いたそう。穏やかな印象だが、内に秘めたる想いはとても熱い青年。昨年、江北町の若手農家グループ「ベリーボタン」を結成し、地域のため、農業のために面白いことをしかけていく予定。

【ベリーボタン】
https://www.facebook.com/Belly88Button

株式会社サードプレイス・清田 祥一朗(きよた しょういちろう)さん 写真中央
佐賀市内で4店舗カフェを経営。まごころを込めた料理のこだわりはもちろん、生産者への敬意を持ち自ら農作業を手伝うことも。その姿はまさに佐賀のおいしいを「つなぐ人」。プライベートでは3男1女のパパ。佐賀の広々とした自然の中で子育て中。

【株式会社サードプレイス】
http://www.3rd-place-co.net/


つむぎ・村元 奈津(むらもと なつ)さん 写真右
佐賀を拠点に、ホームページやパンフレットなど情報発信に関する企画・制作・運用サポートを行っているフリーランスディレクター。東京で約10年間ウェブディレクターとして働いた後、佐賀に移住して約3年間、江北町の地域おこし協力隊として空き家再生をテーマに移住・定住促進などの地域づくり活動を行う。屋号の”つむぎ”には、”人や町、文化や歴史、知恵などを紡いで新たな価値を生み出す”という想いが込められている。

【つむぎ】
https://tsumugiweb.com/

ゲストと交流! ファーマーズマーケットも同時開催




3月2日。会場は佐賀県立図書館の「こころざしの森」。すぐ隣に公園がある気持ちの良い空間です。児童書を中心に、気軽に読めるさまざまな分野の本がそろっており、普段は子ども向けのおはなし会も開催されているそう。テラスで開催したファーマーズマーケットをトークショーの前後に楽しんでいただきました。



今回のゲスト北原さんが主催する江北町の若手農家グループ・ベリーボタンと、富士町古場で農業を営む木下さん。(写真上段) 新鮮な野菜を生産者から直接買える機会は貴重。

三瀬町の平川ブルーベリー園の平川易子さんはたくさんの焼き菓子やジャムを販売。(写真下段) どれもおいしそうで迷ってしまう……と訪れる人からため息が! 毎年7月~9月上旬お客さん自身が収穫できる収穫体験もおこなっているそうです。



江北町の人気のパン屋さんアルパカのパンさんは佐賀県産の小麦を使ったパンと焼き菓子を出品。(写真上段) ハード系パン好きをとりこにしていました。

3月7日に同じく江北町にオープンする焼き菓子とサンドのお店アオグベイク&サンドさん。(写真下段) オープン前に一足早く出会えてなんだかぜいたくな気分! お客さんからは「江北町にすてきなお店が増えてうれしい!」との声が聞かれました。



佐賀県白石町に移住・就農した桑野さんご夫妻が営む「桑野ファーム」。ブロッコリーやキャベツとともに、コールラビという聞きなれない野菜が並びます。コールラビはカブにツノがはえたような不思議な形をしていて、実も葉も食べることができます。浅漬けやきんぴらなど和風の味付けにも合うのだとか。佐賀県内で見かけたらぜひチャレンジしてみて! 



今回トークイベントの参加者には、サードプレイス監修のスペシャルカレーを提供! ゲストの北原さんの無農薬米、マーケット出店者の木下さんの有機野菜を使ったぜいたくなカレー。皆さん思わず笑みがこぼれます。


何杯でもおかわりできそう! カフェのカレーは家では絶対出せない味。食べた人、皆を幸せな気持ちにします。


トークショーはつむぎ・村元さんの司会進行。トークショーがはじまる前にお店でゲストと話したり、カレーを食べたことでなごやかな雰囲気でスタートしました。

農業の世界に足を踏み入れたきっかけは結婚


きたはら農園・北原 良太さんのお話から。長崎出身の北原さん、ご実家は漁業を営まれているそうです。長崎市内の福祉系の大学で学んだ後、児童養護施設や重度知的障がい者向けの支援施設で働いた経験をお持ちです。福祉の仕事は大変ながらもやりがいがあり天職だと感じていたそう。

農業とまったく無縁なところでキャリアを築いてきた北原さんですが、就農したきっかけはなんだったのでしょう。

『福祉の仕事をしていたときに出会った奥さんと結婚がきっかけです。奥さんの実家が江北町の農家。お義父さんに「娘さんと結婚させてください!」と言うより先に「うちで百姓をやってください!」と言われました。(笑)もともと農業に興味があったわけではなく結婚するなら奥さんの実家の問題は自分の問題でもあるよな、と考えていた程度でした。

ですから、実際やってみて思っていた農業とギャップがすごかったです。いきなり大型のトラクターを運転しないといけなかったり、一袋30kgもある米袋を積み上げないといけなかったり……農作業の過酷さに最初は心が折れそうでしたね。最初の2年は、正直農業が嫌いでした

でも、友人や親戚の人からの「お米おいしかったよ!ありがとうね!」と声をかけてもらったことが転機となって自分なりに農業を楽しむ方向性が見つかりました。福祉の仕事をしていたこともあって”人と関わること”が好きなんです。もっと積極的にそういったことをしていきたい、でも一人でやることは難しい、と考え若手農業グループ「ベリーボタン」を立ち上げました。

自分たちが作ったものを自分たちが作ったよ!と発信できる。おいしかったよ!の声も直接きける。その活動をベースに販路を広げていくことも考えています。』

ベリーボタンはまさに今はじまったばかり。これから地域のため、農業のために面白いことをしていくぞ! という北原さんの熱い想いを感じました。

世界中を旅して出会った”カフェ文化”




つづいて株式会社サードプレイス・清田 祥一朗さんのお話。

現在吉野ヶ里町に暮らし、佐賀市内で4店舗カフェを経営されています。もともと熊本市内や福岡県春日市で育った清田さんが佐賀でカフェをオープンしたきっかけとは……?

『大学進学で佐賀に住むようになりました。カフェをやりたいと思ったきっかけですが、2002年にワーキングホリデー訪れたオーストラリア・シドニーで出会ったカフェ文化です。街のいたるところにカフェがあり、市民の生活になじんでいるのを見て単純にこんな暮らしが日本で、自分の住んでいるところでできたらいいなと思いました。

お店をスタートしたころは、とにかくうまくまわしていくことを考えて頑張っていましたが、はじめて4~5年くらいたったころから食、農業の問題に意識がむいていきました。地産地消など、自分たちのカフェでもそういった取り組みができないか……と思うようになって。

半年間、佐賀市内の有機農業の農家さんを手伝わせていただいていた時期もあります。ちょっとずつ農家さんから直接仕入れるようになり、今日のファーマーズマーケットに参加されている富士町の木下さんが週2回野菜を配達してくれるようになりました。紅茶も嬉野のお茶農家の松尾さんから。コーヒーはまだ直接お会いできていないですがエルサルバドルのアーネストリマさんから。糸島のタナカフェさんが直接買い付けされ、福岡でばい煎してもらっています。

カフェという場所を使って世の中の問題をちょっとでも解決していきたいですね。サードプレイスでは「佐賀でたべる、つくる、くらす」をキーワードにほんのすこし毎日が楽しくなることを目指しています。楽しいというところが大事で、大人が楽しんでいるところを見せないと。子どもたちから大人ってつまらなそう、なりたくないなとは思われたくないですから。(笑)』

吉野ヶ里に住みはじめたきっかけは奥さんの実家の近くだから。中古の一戸建てを購入後、自ら壁を塗るなどリノベーションして住まわれているそうです。ご自宅の魅力はとにかく広いこと! コストを抑えた上で都市部ではできないようなひろびろ・のびのびした暮らし、子育てができて大満足とのこと。


北原さんと清田さん、お二人に共通しているのは「人とのつながり」。またパパとして家族を何よりも大事に働かれている姿がとても魅力的に映りました。


本日の主催者である佐賀県庁の川平さんから、県で行っている移住支援の取り組みについてお話を聞きました。佐賀県は移住した人・移住の相談を受けた人が3年で2.5倍に増加。毎週水曜日には博多バスターミナル9階で移住相談会が開かれています。「ちょっと聞いてみよう!」という感覚でお気軽にお立ち寄りください! 3/27(水)には子育て環境のよさ体感ツアー@小城(プレママ・パパも歓迎!)が行われるなどイベントも頻繁に行われています。 詳しくはサガスマイルをチェック!


トークショーの後には生産者どうしで情報交換されている姿も。先輩からのアドバイス中なのでしょうか……? 皆さん真剣です。

おいしいスイーツを食べながら懇親会


第二部の懇談会は同じ敷地内にあるサードプレイスのカフェ、デイズキッチンへ。


皆さんでおいしいデザートを食べながら、自由に「佐賀での暮らし」についてお話ししました。


最初は緊張気味だった人も、おいしいデザートの力も手伝って(?) すぐに打ち解けられていました。移住して農業をされている方の話はどなたの話も興味深く、暑さ、寒さ、自然との戦い、移住してきた土地に慣れるまでの話……。思わず聞き入ってしまいました。


時間内には納まりきらないほど、楽しく交流ができました。移住してきたばかりで、県内で同じような農業をされている方とつながりたくて参加した方、就農して10年、もっと自分で情報発信していきたい! と考えている方、Uターンしてきたばかりで今後農業をしたいと考えている方……とさまざまでしたが、今日のイベントがきっかけになって今後も交流が続くことを期待します。

まとめ


『MEETUP!SAGA』全3回を通して感じたことは「人と人との距離が近い」こと。初対面でもあっという間に打ちとけ話が盛り上がる、という光景を目にしました。UターンにしてもIターンにしても人と人とのつながりは必要不可欠。移住前や、移住直後に地域の人とのつながりがもて、順調に新しい生活をスタートしてもらえたら……。

佐賀の人は、つい「佐賀はなんもなか」と言いがち。

しかし本当は全然そんなことない、むしろ魅力だらけだということが、SNSなどを通じてここ数年で分かってきたのではないでしょうか。

美しい自然。おいしい食べ物。目いっぱい広がる星空。近所のあたたかいつながり。まちに残る伝統や文化の香り……。

今回のイベントで移住してきた人に佐賀を好きになってもらい、佐賀にずっと住んでいる人にもあらためてもっと好きになってもらう。そういったきっかけになることができたらとてもうれしく思います。

今この記事を読んで「いつかはUターンしたい」「佐賀で新しい暮らしをしたい」と考えているあなた、まずは気軽に佐賀に遊びにきてください! また、なかなか直接行くことはできないけど……という方はぜひメールで気軽にご相談くださいね。

今後もこのサイトでは佐賀での暮らし、空き家について、実際移住した人の声……とさまざまな情報を発信していきたいと思います。
 

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